toshimichanの日記

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なげぇ~よ。

自分以外の男の性欲がどんな感じで、どんだけ強いのか、どれだけ女を求めているのかは分からないんだけど、

事、俺に関しての性欲の強さ?ってのは、強さって意味では決して強くないんだと思うんだ。

俺の場合は多分、今までに付き合って来た女性の性欲が強過ぎたんだと思うんだよね。

てか、何が普通?一般的?と言われる様な度合いなのかは分からないんだけど、

セックスってのは、人を変えるのかな?
それとも、性的な相性が人を変えてしまうのかな?
それとも、セックスをしている時の人格が本当のその人の本性なのかな?

俺の付き合って来た女性って、
普段の生活態度や社会生活に於いては、特段に変わった女性だった分けではなかった。
寧ろ、清楚でお淑やかな雰囲気の大人しい彼女もいたし、はつらつとした活発な彼女もいたけれど、

その、どの女性も、普段の姿はごく普通?の女性だったんだ。
服のセンスも、特に露出が多い服とかセクシー系を好んで着る様なタイプでもなく、性的な魅力を振り撒く人柄ではなかったんだ。

それは、もちろん外出着の話しであって、二人切りで過ごしている時間は例外ですよ。

そこはそこ、俺の趣味や彼女の趣味や体型、雰囲気ってのがありますのでね。




だけど、事、性欲に関しては、
どうやら俺は、多分なんだけど、
かなり、相当、強くて激しい女性とばかり付き合って来たんじゃないんだろうか?と思うんだ。

何度も言うが、普通ってのがどんなのかを俺は知らないし、分からない。
何十人もの女性と付き合って来た分けでもないので、一般的って言う基準を俺は持ち合わせてはいないんだ。

唯一信用出来るかも知れない情報源としてあるのは、友人と交わすエロ話し程度で、それにしたって、自分の彼女の性的な趣向を赤裸々に語る筈もない分けで、信憑性には欠けてるとしか思えないので、それを一般的と言ってしまうのには無理がある様に思えるんだ。

その他の情報例として、エロDVDの世界観は、あくまでも作り物としての演出が成されているだろうし、何よりもAV女優ってのは、女優なんだから演技もしてるだろうし、はたまた、媚薬や麻薬?とかの薬で正気を失ってるのかも知れないから、あの乱れっぷりは、一般的な女性のセックス基準にはならないんだろうなって思うんだけど、、、

でも、実際問題として、
俺の付き合って来た女性って、
「普通」ではなかった気がするんだ。
って、疑う事なく思うんだ。
多分、言葉が正しいのかは分からないけど、アブノーマル。
だったんだと思うんだ。

性欲の強さも去る事ながら、その趣向の方向性と言うか、激しさや執着心、嫉妬心のなせる独占欲からくる報復?報酬?

乱れ方、何よりも際限の無い性欲。
限界の見えない体力。

それらを初めて垣間見た時、それと真っ向から対峙した時の戸惑いにも似た嬉しさや喜び。
と、同時に自分の性的な体力の無さに情けなくなってしまったんだ。



肉体関係を持ち始めてからの最初の頃には、普通?のセックスだけで事は済んでいたけれど、関係が親密になり、遠慮がなくなり、相手の身体を私物化?できる?ようになって、
お互いの体が自分のもう一つの身体に思える様になる頃には、
彼女達は自分の成し遂げたい趣向に合わせて欲しくなって、満足をしたいが為に、自分の性欲を晒け出し牙を剥けて来たんだ。

つまりは、して欲しい事を要求してくるようになったんだ。

そこは、彼氏と彼女の関係が定着している頃なので、俺としては、その要求に対しては真摯に対峙してでき得る限りの要求に応えて上げられる様に努力を惜しまない様にしているんだ。

それは、極々当たり前の対応だと思ってる。

いざ、本性が剥き出しのセックスが始まる。

その溜まった性欲を晴らそうとして始まれば、そこから先は人が変わったかの様に、自分の欲望を素直に現し、行動して来るんだ。

でき得る限り、溜まっている全ての欲求をありのままに吐き出して、俺と果ての地で寄り添う事を望んで来るんだよね。

そこで同じ趣向性、同調者として乱れる事で満足や信頼が生まれるんだ。

自分の好きな、愛している彼女が、何も隠す事なく素のままの欲望を晒け出して、交わろうとして来るのだから、それに応えて上げなければ、それを成し遂げて上げなければ付き合いは長続きはしない。
性的趣向が一致していなければ、それ以外の部分で幾ら気が合っていようが、性の不一致で付き合いは長続きはしないんだ。

そう言った意味で俺が付き合って来た彼女達との期間は決して短くはない。

つまり、彼女達の剥き出しの性欲とありのままの姿で付き合えて来たから長続き出来たんだよね。

単にセックスと言ってしまえば、彼女と交わるってだけの行為で、俺としては、その行為自体は直ぐに終わってしまうのだが、
性的な趣向として彼女の性欲を晴らすと言う意味では、俺はそこから先の彼女の体の求めている趣向性に見合った攻撃力を考え出す思考力が必要だったんだ。
そんな点で言えば、俺は求められている欲望を見い出だす思考力が優れていたのかも知れないんだ。

つまりはスケベ力とでも言うべきなのかな?


俺は、特に訓煮をしている事が苦にならないので、疲れない体制であれば、
首や顎や腕に無理が掛からなければ、好きな彼女の生食希なのだから、それなりの時間はやり続けていられるし、嫌ではないんだ。


それこそ、愛撫としての訓煮が一般的にどの位の時間を掛けて、どんな強さでどんな事をするべきなのかが分からないけど、
俺としては、俺の気の済むまでさせて欲しいってのが、俺が彼女に対しての要求なんだ。
している時に彼女が感じていなくても、何度かイッていようが、それは俺の区切りや終わりではなくて、俺の気の済むまでが、俺の訓煮の終わりって事を受け入れてくれなくては、俺の彼女としては物足りなさが残ってしまうんだ。

もしかしたら、それが彼女達の性欲を剥き出しにさせてしまう火種だったのかも知れない。
ふと、そんな事を思ったりもしてる。



ところで、訓煮ってのも、
どうやってやったら良いのやら。
誰も教えてはくれないんだ。
てか、そんなモノはされている彼女の反応を感じ取りながら、見ながら、
実験と研究をして行けば良いって事に気が付いたんですね。

って事は、
これが意外にも、どの女性に対しても通用する技ってのが一本化出来ないって事を学びました。

つまり、相手が違えば訓煮のやり方も違うんですよね。
そりゃそうです。
なんてったって、相手が違うって事は、そのものの位置や形が違うんです。
栗の位置や大きさや感度、その下の景色や位置関係。
尿道の位置や大きさも違えば感度が違う。
同じ陰部の形ってのは、先ずあり得ない。
そりゃあ、統一規格として栗は敏感でデリケートなのは決定事項なのでほぼ同じ様に扱っても差し支えはないのだが、
性的嗜好の違いに依っては、痛みを感じる位にまで吸ったり噛んだりを好む女性もいれば、単調なベロビンタが好きな女性もいる。

尿道をほじくられのを嫌がられる場合もあれば、花びらを甘噛みされると痛がる人もいる。

いずれにしても、それは慣れるまでの話しであって、何度も繰り返して訓煮をしていれば、俺のやり方が彼女のされたい訓煮になるのは当然の摂理。

何をどうされ様が、つまりは、体の一番敏感な部分を預けて愛撫されるのだから、気持ち良いに決まってるよね。


だけど、
長い時間、口で外だけを刺激され続けられてしまっては、中派の女性は欲求不満になってしまう。
勿論、訓煮と言ったって、外側だけを刺激している分けではなくて、指はちゃんと中に入れて刺激はするのだけれど、奥の奥までの刺激にまでは至らないのだから、詩球でお臍を突き上げられる様な奥派の彼女的には、幾ら訓煮を長時間されたとしても単なる前義でしかないらしいんだ。

そこで終わりにされてしまっては、性欲的には、たまったものじゃないって話しで、
ちゃんと奥深くを突き上げてイカせて欲しいと、求められてしまう。

しかし、我の物はさほどの物ではない。
いくら頑張ったとしても、如意棒ではないので、求められている部分への刺激を与えて上げる事が出来ない役立たずの代物。
そうなると、どうしても代打が必要になってしまうんだ。
実に情け無い。

役に立たない物は立たないのだ。

しかしながら、ナニが立たなくても愛してる気持ちは溢れているんです。
満足させて上げたい気持ちは滾ってるんですよね。

単純なスケベ心だけではなく、好きだからこそ、愛してるからこそ、行き着く場所にまでちゃんと送り届けて上げたいって気持ちが俺を駆り立てるんです。

己の武器が使えなくても、己が操れる武器ならば送り届けて上げられる。


で、仕方なく擬似物に頼る分けなんですが、、、



中派で奥を突かれるのを好む彼女ってのは、力加減や手加減を匙加減しながら操る分けなんですが、
それがまた、案外と永遠だったりするのですよ。
切りがないって言うんでしょうか?
腕が疲れるほどに突き続けなければならなかったりするんですよね。
勿論、何度かは昇り詰めてはくれるのですが、
「もう良いよ。」
がなかなか訪れなかったりするんです。

んでも、自分の彼女が無茶苦茶に乱れて感じてくれてる姿を見ていると愛おしくて堪らないんですよね。

完全に身体を預けてくれて、性的に乱れてくれる彼女がいるってのは、
ただその一点が許されているだけで、俺に取っては掛け替えのない存在だし、物凄く大切にしたくなるんだ。


だから、
例え、そんな存在がある期間に於いて重複してしまう。
なんて事態も避けられなかったりもするんです。

しかしながら、その「物凄く大切。」
って点に於いての矛盾が生じていまうのですよね。
二人が大切な存在になってしまう。
そう、二人とも大切なんですよ。

としか言い様がない!

浮気と本気だなんて区別を着けなければならなかったりもします。

いや、私は浮気相手なんだからと納得して、本気の相手がいる事を承知してくれる、物分かりの良い彼女も世の中には居ますよね。

物事には、仕方のない優劣ってのが、どうしても必要になる事が存在するんですよ。
「劣」なんて称号など付けたくはないのですが、どうしても隠さなければならない彼女と、疑ってもいない彼女って立場は出来てしまう分けでして。

それが、結婚などして居ますと、
妻、家内などと言う、定着した地位に鎮座した重要人物がいらっしゃいますので、自ずと浮気相手はあくまでも浮気と言う位置付けになってしまう分けでして、、、
それを甘んじて覚悟をして受け入れて頂ける女性が「神様」となるのですね。

実に、自己都合の宜し過ぎるお話しなのですが、
そんな「神様」ってのが、世の中にはいらっしゃったりするのですね。




もちろん、彼女は安定?定着した地位には着きたがってはいましたが、
そこはそこ、
この俺が、俺らしく俺でいるための重要な人格構成部分を担っているのが家内であって、
家内がバックボーンとして俺を支えているからこその、今の俺がある分けで、
背骨を抜かれてしまっては、もはや、彼女の好きな俺である保証はないのですね。

いや、それでも独占したいと言われたとしても、
その地位に着座して、この俺を迎えたとしても、今の家内以上の居心地を確保出来る自信が、、、


あ~っ、
スッゲェ~嫌な奴だよね。


でもね、そんな、こんな、
人間のグズの様な奴を、
それでも良いよ。
って言ってくれてた神様を俺は、、、






棄ててしまったんだ。

斬文 4

貴女のため息が
いつしか銀色の雲になり、
この澄んだ夜空の
あの綺麗な月を滲ませる。


うつ向いて前髪に隠された瞳が、
膝の上で絡めた二人の指先を見てる。


その横顔に月明かりが
翳り出すのが辛かった。


さっきまで、
あんなに綺麗だった下弦の月
隠せるほどの重いため息。
鈍色のため息。



ベた凪ぎの海が
ゆっくりと静かに
潮騒を奏でる夜の砂浜で
二人の結びを
解かなければならなない分けを
しどろもどろに話してた。



「このままじゃ、
ダメなのかな?」


結んだ拳に
溢す様に吐き出された言葉。


その刹那に答えられずに
戸惑う弱虫の
逃げようとする指を
強く強く握って放さない。



「直ぐじゃないよね。
急ぐ事ないもんね。」

真っ直ぐに向けられた
視線が外せずに



「そうだね。」

と、声を詰まらせた。

掴んだ手を胸に誘い
強く押さえ付ける手の温もりと
柔らかい乳房の温もりの
挟み撃ちに心が揺らぐ。


「貴方だけの女
貴方を好きな女
貴方が必要な女
貴方じゃなきゃ
ダメな女にしちゃったくせに。」



「ほら、月が綺麗だよ。」



真っ直ぐな視線から
逃れる為に、
咄嗟に口から出た言葉。


しかし、
見上げた夜空には
もう既に月はなかった。


押さえ着けられた手のひらには
触り馴染んだ膨らみ。
握りしめれば
いつもの様に食い込む指先。


「これは、
間違いなく貴方の物なんだよ。」



一つ一つの鼓動が確実に
柔らかい温もりの下で
何時もより
大きく早く感じ取れていた。


確実に彼女は怯えていた。

切りつけた自分の刃が
弾かれて
己に返された瞬間。


力いっぱい握り締める
ふわふわの温もり。


深爪の指先が
易々と食い込んで行く。


頭に回された腕で
顔を引き寄せられて、
唇が顔の
所構わずに押し付けられる。



「絶対にイヤ!」



それは、
いったい誰の声だったのだろう。



執念の籠った固い決意が
その声色とは裏腹に
脳幹を震わせるのだった。

斬文(危) 3

ベッドで膝を交えて見詰め合っていた。

彼女の視線には、
何の迷いも躊躇いも感じられなかった。

純粋に、真っ直ぐに俺の眼を見詰めて、
迷いのない願いを訴えていた。



「こんな歳になってから、
こんな女にされちゃうなんて、
思ってもみなかったよ。」

見るからに痛々しく赤紫色に腫れ上がった土手が、俺自身の残虐さを物語っているかの様で、己の恐ろしさに身が震えた。

その土手下の双曲部分からは、それよりも更に濃い黒ずんだ紫色をした二枚のローストビーフを重ね合わせたかの様な肉片の重なりからは、真っ赤な鮮血がトロリと流れ出していた。

そろそろ始まる頃だとは思っていたが、どうやら二日か三日くらい早く来てしまったようだった。

今日のプレーは生理日を早める程の刺激を子宮には与えてはいなかったのだが、まあ、基本的には規則正しく訪れる体質ではない彼女なのだから、二日や三日の誤差は別に珍しい事でもないし、生理日だからと言って途中で止めたりもしなければ、手加減を加えたりもしやしない。

そこまでしなければ、俺色に染まるのを懇願するこの女を満足させ事など出来やしなくなってしまっているんだ。

ここまでして尚もまだ、一時の冷静さを保ちながら、更なる被虐を求めて来るこの女の恐ろしく深い性欲の根源は、この少女らしさを纏った可愛いらしい女の、いったい何処にあるのだろうか。

恐らく、この平静を保っているかの様な表情をしながら、俺へのコメントをしている瞬間でさえ、彼女の感じている激痛は半端ないモノなんだろうと俺には想像すら着かない。


度重なる殴打に因って内出血を伴った打疱傷は、多分、もう感覚が失われてしまっているのだろうに。

流れ出した鮮血を洗い流すかの様に、そのローストビーフ状の肉片からは、チョロチョロと泉の様な清流が沸き出している。

この時点での失禁は、性的な興奮による潮吹きではなくて感覚が消失してしまった、弛みからの漏れに違いなかった。

俺はそこまで彼女を追い詰めてしまっていた。

そんな状態になり果てていながら尚もまだ、それ以上の被虐を願っているなんて、




この限界を知らぬ連続した野獣の様な激しいイキ様は、その丸みを帯びた柔らかく白い肌の下に隠された、確かに鍛えられた筋肉の躍動に寄って起こされている。

それは、度重なるこの果てしない性的な筋トレに因って鍛え抜かれてしまった、通常の生活では使わない部分の筋肉を快楽の果ての中で無意識に酷使し続けている妖艶美なのだ。

鼠径部に流星の尾の様に浮き上がる腱反射。

柔らかく厚みのある真っ白な曲面をした内腿を盛り上げて浮き出でくる力強い腱の盛り上がりは、その付け根にある彼女の彼女たる中心部が巻き起こしている刹那の叫びの様に猛々しいのだ。



やり盛りの女性が、その性欲に従って解放され、己の体力の限界を越えながらも快楽に溺れる事を望んで俺にそれを求める様になってしまっていた。

そんな事を繰り返し繰り返し続けていれば、意識しなくても、自然と鍛えられて行く不自然な部分の筋肉や腱。

それが妖艶な女の深みを増して、美しい肉体美を作り上げてしまった。






二人で一緒に過ごす時間を、
なるべく沢山にして欲しいと
望まれていた。

そこで安らぎや喜びの時間を共に過ごし、
思い出や絆を深めたいと、
話していた。

きっと、多分、俺は、

愛されていたのだと思う。


愛されてはいけない立場の俺が、
求められてしまっていた。

応じてはいけない欲望に、
応えてしまっていた。

深まる関係、育まれる感情。
求められる独占、
与えていた淋しさ。

一人で過ごしていた時間の分だけ
積み重ね、塊になっていた淋しさ。

会う度毎に、
濃密に、濃厚に、
ほぐしては、溶かして、
埋め合わせをしていた。

固く凝り固まった不満が、
女の性を滾らせては、
爆発させていた。

求められる激しさ。

鬱積した女としての欲望。






貴方ににしあわせにしてもらってたら、
失った時に地獄を見ることになるので、
私は自分で自分を幸せにできるように、
強くならなきゃダメだよね。

身体的な痛みでは決して俺には見せはしない、痛みを感じている表情が辛かった。


覚悟が出来たんだよね?



次の言葉を睫毛が遮り
声には出せなかった。

何を言ったとしても
その言葉は真実で


この距離で何を語って
言い現したとしても
全ての気持ちがそのまま
届いてしまう。

嘘は嘘のまま嘘として
バレバレで
それが真実で
誤魔化せやしない。


今、この時間が私に取っては、幸せの全てなのね。
この時間の為に、私は生きてるの。


始める前には、あれ程綺麗だった彼女の体をこんなになるまで、俺は傷付けてしまった。

壊れた性癖が作り出す地獄絵図から目が覚めた時に感じる、二人の至福の瞬間に、そんな事を言われてしまっては、
俺はいつ迄たっても、ここからは、逃げられやしないんだ。


美しく鍛え上げられた妖艶美
それとは裏腹な、幼げな表情で見詰めてくる彼女の、その見事なアンバランスさは、それを手の内に抱いてしまった男としては、手離せる分けはなかったんだ。

斬文 2

こんな男になりたかった訳ではない。


さりとて、大きな岐路に立たされて迷った覚えもない。


選ぶして選んだ道を辿って歩いて来たら、こんな男に成り下がってしまっていた。


何処でどんな選択を大きく間違った訳でもなく、幾つもの小さな岐路をほんの少しずつ歪めてしまっただけなのに、今となっては、こんなにも惨めでみっともなく、取り返しが着かない男に成り下がってしまっている。



普通の定義などが俺に分かろう筈もない。



比較した所で、標準的なサンプルなのかどうかも判断が下せずに、それとの比較が正しいのかさえも定かではない。


ただ、皆さんと同じではなく、異質である自覚が出来るだけで、自分の立ち位置がそれとは明らかに違う場所に居る事を身を持って自覚している積もりだ。



一方的な礼儀を尽くそう。


また一つ、選ぶして出された答えに従う我が身が悲しいけれど、他の手段が見付けられない以上は、これが一応の正しい判断であると信じよう。


それが、現時点に於けるベストな選択肢なのだと。


女が弱さを晒らけ出し、秘密を隠さずに露出して望まれてしまえば、それに付き合うのは当然の振る舞いであり、男としての礼儀だ。


いささか一方的でエゴなのかもしれないが。


例えそれが己の主義に反していようとも、出来うる限りの知恵と勇気を持って対処するべきであろうと思う。


増してや、その対象者が深く強く結ばれたいと願っている女性であるならば、尚更に情熱を注いで向き合うべきは必然な成り行きであると信じられる。





そして俺は化物になった。


ばけものに成り下がった。


美しく見事なまでの肢体に翻弄され、狂喜の中に散りばめられた苦痛に垣間見られる、えも言われね快楽の表情はこの女の内に秘められた本性の具現化なのだと。


それを導き出せる手加減と際どいギリギリの技は預けられた者の義務と責任なのだと確信していた。


ただ、それが本当に望まれたからと言って許される残虐さではないのだと、常に精神が苛まれ、蝕んでいる自覚が苦しいのだ。



覚悟は苦痛に固められた表情が、ふと安らぎを得て緩められ、我慢し抜いた隙に生まれる一瞬にして極上の笑顔に収束する。


その笑顔に出逢うべくして、行う残忍な仕打ちは彼女の肉体を破壊し、俺の精神を同時に、同様に蝕んで行く。





刺し口が竹串に引っ張られ、窪んだままに歪められひしゃげられている。


血だらけの膨らみを、誇らしげに突き出して誇示する姿には、満足までにはまだ程遠く、残された体力で自らを表現でき得るのであるならば、行為はまだ半ばと言えよう。


この程度の残虐な拷問位では、へこたれぬ体力と忍耐力を彼女は有していた。


その女性特有の痛みに対する耐性とそれを受け入れて味わいながら、無限の快楽に変換して痛覚を喜びと誇りに等価交換する能力は意識を失う寸前にまで追い詰めても、ふと自然な微笑みを浮かべられる淵をさ迷えるのである。


それは、長い年月を経てまで続けられる様な拷問ではないはず。


一つのステージで変化をもたらす体型形状変化は傷口が治癒した後でもはっきりと痕跡が標され、明らかな歪みが残像として象られてしまう。


それは同じ責めを同じ部位に与えれば尚更に歪み変形を重ねて行くものである。



それはどれ一つとっても激痛であったはずなのだが、どの激痛にも耐え抜いて誇らしげにその部位を晒しながら感謝をされた。


一回一回の治癒を待ち切れずに、まだ傷口が塞がらないままの患部にまた再び拷問を加え、激痛を与えた。


それが、彼女に取って俺の存在価値であり、性欲のはけ口。

俺への服従であり、彼女の誇り。



しかしながら、愛していると自覚し、愛おしさをい抱いている愛人の美しくも見事な躰に対する愛撫などとは絶対に呼ぶ事が出来ない、荒々しい加虐や残忍な拷問を課す俺の心は、その時点で正常だと言えるのかどうか。


そもそもその愛とやらが俺の心に居るのかどうかも疑問である。


恐らく、彼女の性的な魅力を現す躰の部位には一生残るであろう傷跡が生々しく刻まれ、新たな出逢いや会瀬には、確実に邪魔になり、後悔に苛まれるであろう。


その脳裏に浮かぶであろう俺の姿は、この世のモノとは思えない形相で彼女を襲う化物として、彼女の記憶に留まり続けるのであろう。


彼女に取って、俺は野獣であり化け物。


彼女の性的肢体は俺が狙い喰らう獲物。


彼女は俺の手に依ってもたらされる痛みを求めていた。

打ち、叩き、刺して、焼いて、潰して、切って、噛んで、抓る。

一瞬の苦痛の表情を翻して、恍惚とした甘く蕩ける様な感覚を味わっているかの如くの微笑みにも似た表情を見せる。


そんな分けは、絶対にあり得ないのだが、彼女は患部を庇ったり隠したりはしない。



俺がそんな風に調教したのではない。
それは、絶対にないと言い切る。


しかし、痛みに依って彼女は、見事なまでの絶頂を迎え、
しかも、その絶頂の時点で更なる痛みを加え続けていれば、尚も濃く深い快楽を得ながら繰り返し頂点に居続けられるのだ。


手を下して置いて、そんな事象を疑問に思うのは筋違いなのだが、
確実に、痛い筈である。


人体の防御機能として痛くなければいけないのだ。



ご存知だろうか?
傷め着けた後の傷付いた患部は、絶頂期が去った後も痛み続けているのだ。

それは完治するまでなだらかに痛みが消えて行く。
つまりその傷は、治り切らなければ再燃焼をしてしまう傷なのである。

直ぐにでも、何時でも、簡単にまた再開が可能な危険な状態を保っていると言う事。

そして一度傷着いた部分は、最初に傷付けた時よりも早く、速攻で激痛を与えられる状態にあると言う事。

完治する前に、また逢う機会があれば、そんな状態に陥ってしまえば、
何度でも同じ部分を傷付けると言うルーティーンにはまり込んでしまうのだ。



結果的には、同じ場所を責め立てていれば簡単に果てさせられる身体になってしまうのだが、
如何せん、同じ部分を同じ様に苛んでいれば、その部分は次第に形相を変えて行ってしまう。


それが彼女の望みでもあり願いだったのだ。


記憶に残る男。

心と躰に、傷跡として遺される男。


俺は、
そんな物に、
成りたかった分けでは
なかった筈なのに。

斬文 1

知らなかった。
分かっていなかった。
そして、少し驚いていた。

私の知らない、
私が、
貴方の中にいた。

どんな風に私は変わるんだろう。

そうじゃない。

どんな自分が、
現れるて来るんだろうか。

どんな自分に、
なってしまうのだろうか。


貴方の色に染まりたい私。


この距離にいる貴方が、
愛おしくて堪らなくなっている。

こんな事をして欲しい。
あんな事もして欲しい。

欲望を抑えきれなくて、
辛くて、苦しくて、
耐えきれずに
言葉に出してしまいそうになる。

貴方の物になりたい。
貴方のおもちゃになりたい。

私は貴方の所有物なんだって、
自覚をしていたいのね。

殴って欲しい。
蹴り跳ばして欲しい。

痛みが欲しいの。
貴方に傷め付けて欲しいの。


俺の、
自分の女なんだって、
好きな様に扱える女なんだって
思って貰いたい。


貴方の暴力を、
この身体がほしがっているの。
惨めな性奴隷になりたい。




そんな事をずっと願っていた。

そんな理由で、

掛ける言葉を失った、
風を孕んだ髪が舞い上がり
チラ見した横顔。

強がる事も出来きなくなって
表情を失った彼女が
大丈夫な分けないのを
俺は良く知ってる。

だからと言って、
選び切れずに呑み込んだ
幾つかの言葉の候補を
手探りで探しても
喉の奥
胃が痛み出す程の
苦しさにさいなまれ
たった一言
「さようなら」と
陳腐な言葉にしか
ならなかった。

しかも
聞き取れる様な声量にも成らずに
喉に絡まり彼女には
届かなかっただろう。

その瞬間から、
あんなにも気軽に触れて来た
俺の、その髪、その頭に
手が届かなくなってるのを
ゆるい風が教えてくれたんだ。

もう、気楽に彼女に触れる事は
許されなくなったんだ。

生暖かい緩やかな風に漂って来る
苦い涙の匂いが俺を拒絶している。

ここから先は、
離れて行くばかりの二人の距離。
一歩後退さればその間には
無数の甘い思い出の壁が立ち塞がり、

踵を返して背を向けた途端に、
積み重ねて来た
小さな日常が重く背中に
のし掛かる。

嬉しかったし、
楽しかったし、
幸せだったんだ。

有り余る膨大な思い出の
その重圧を背負って
動かない足を
離れて行く方へと投げ出す。
一歩一歩。

振り向く勇気なんて、
振り向く責任なんて、
ヘタレた俺には負えやしないんだ。






ニコニコと意味ありげな
笑顔のままでじゃれ着いて来ては、
噛みつく様に
キスを浴びせ掛けてくる無邪気さは、

疑いも隔たりも、遠慮や躊躇いも
負の感情は何も抱かずに、
ただ好きだって感情だけに
突き動かされてて、
顔中べちゃべちゃにされるまで
逃げ切れない嬉しさに
溢れてたのに。



手に入れたもう一人の自分の
大切な拠り所。

彼女が居れば良い。
彼女が全て。
彼女は俺。

心を預け、委ね、託したんだ。




俺色に染め抜いた彼女が
「ありがとう」と
口から吐き出した飴玉の様な
キラキラした言葉。

アスファルトに叩き付けられ
虹色に砕け散った。

そのキラキラの輝きの欠片が
実は涙だって事を
俺の踵が感じていた。

そこからは、
離れて行くばかりの背中
ここで振り返ったとしても
何一つも
やり直せやしないんだ。

やり直しては
いけないんだ。




お互いが見えなくなるまで
求め合ってしまった滑り出し。

愛されてる事に
ドップリ浸かって馴れ合って
求める程に失ってた
不自然な思い遣りや優しさは、
いつしか、ふと、
本当は他人なんだと
気づきの糸のほつれを
見つけてしまったんだ。





ゼンマイ仕掛けの不倫恋愛。
会う度に我武者羅にネジを巻き
貪り合った。

空回りの全力ダッシュ
白煙を上げて
自分をコントロール出来ずに
突っ走ったんだ。

腰が砕けるまで
ひたすら突き動かして
これでもかってくらいに
思いをぶちまけた。

そうする事で
求めている激しさを表し、
無我夢中で愛してると言う事を
表現してたんだ。

果てれば果てる程に幸せだった。
果ててくれれば、嬉しかったし、
際限なく果て続けてくれるから
満足だったんだ。



足元も見ずに、
求め過ぎてしまったんだ。

立場を考えずに、
与え過ぎてしまったんだ。

それを過ちだと気付かずに、
ここまで傷口を
広げてしまっていた。

取り返しの着かない濃厚な時間を
重厚に積み重ねて、
挙げ句の果てに、
、、、、、



「さようなら」の
終止符。



体に刻み込まれた習慣。
慣れ親しんだ愛撫。

求められれば、
預けられた身体に
でき得る限りの手管を施し
極限の限界にまで
送り届けていた。

危険過ぎる終着駅。
危ない肉体関係。

果ての極地まで追い込んだ彼女の
虚ろな眼で微笑む笑顔は、
涅槃の境地なのか。
安らかで穏やかで柔和な淫乱の表情。

でもそこは、
一歩間違えれば、
女としての人生を失う程の
危険な行為だった。


だから、もう。
それ以上に踏み込むのは
危険なんだ。
女である部分が壊れてしまう。
壊してしまう。
これ以上は無理なんだ。
ダメなんだ。
してはいけないんだ。

痛みや苦しさは
快楽なんかじゃない。

辛さに耐え抜く事が
愛なんかじゃないんだ。




俺の足りない物、
欲しい物を彼女が持っていた。

彼女の求めている欲求、
行きたい場所へ
俺は送り届けて上げる術を
知っていた。

一致してしまった性癖がもたらす
加速度的な親密化は、
下着を着ける事を許さずに、
行為はどんどんと
過激になり苛烈を極めながら
エスカレートして行ってしまう。




彼女の身体に刻まれた傷跡は、
俺って男がいた証。

女として、
極限を極めた快楽を
味わって来たと言う証。

その身体に刻まれた
俺の名前。

俺にそこまで許し、
求めた彼女の愛の証明なんだ。




だからこそ、
二人は一緒にいてはいけない間柄に
なってしまった。

俺は、この先、
彼女に何をしてしまうのかが
分からない。

彼女はこれから、
これ以上の
何を望んで来るのかが分からない。

身の破滅をもたらす関係。

際限のない夢。





たがら、
そんな説明は、

要らないよね。


これが、
二人の為に、
俺が下した
最良の判断なんだから。


多分、

これは、

恋愛なんかじゃ
なかったんだよ。

雷鳴

部屋の窓から落雷を眺めていた。
時々、テレビのニュース画像で観る稲妻とは違って、目の前に広がる実際のパノラマ映像は、一瞬の、しかも何処に落ちるのか予測の着かない唐突な自然現象でしかなかった。

遥か遠くに見えている稲妻は、正に対岸の火事の様で、全くの他人事であって、今の自分には関係のない別世界の出来事として、単なる自然現象が映像として見えているだけの景色なのだと、なんの危機感も抱かずに眺めていた。

なので徐々に近づいて来る黒く重たそうな雷雲をぼんやりと無感情で眺めていた。

間もなく、辺り一面の景色が真っ暗になり、どうやらあの雷雲がこのマンションの頭上にまで触手を伸ばして来た様だった。

と、思っていた矢先。
目の前が瞬間的に眩い閃光に包まれた。
視界が強烈な光で真っ白になって何も見えなくなった次の瞬間には、
バリバリと大気が破裂したかの様な轟音で、お腹の底で和太鼓が連打された様な雷鳴が鳴り響いた。

恐怖ではなかった。
恐怖と言うよりも、驚きだった。
弛み切っていた私の気持ちに対して強烈なビンタを喰らった様な衝撃を閃光と爆音に因ってもたらされてしまったのだ。

全身がジーンと熱くなり、ジワッと下腹部が濡れて行くのが分かった。
それはまるで、あの人に股間を蹴り上げられた時の衝撃に似ていて、妙な性的興奮を呼び起こしてしまったのかも知れないと思った。

痛みこそないけれど、突然お腹に響く爆裂音で下腹部がキュンとなってしまったのだ。
こんなにもあの人がしてくれていた、あの痛みが切なく恋しく思えるなんて、
そんな自分の身体が可哀想に感じてしまった。


だと言うのに、一方では、
大粒の雨がテラスのウッドデッキに打ち付けて、水飛沫がぴょんぴょんと飛び跳ねる様が、まるで子供の頃に見た、蛙の飛び跳ね方に似ていて可愛い、、、なんて妙に懐かしさなんかを感じたりしている今の自分を客観視してみたら、

あっ、私、
壊れてるんだな。
と、感じさせてくれた。