toshimichanの日記

ブログの保管所

2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

脳イキ

俺は何もしていなかった。 言葉一つ発せずに、 床に胡座をかいて座り、 黙ったままで、 タバコを吸っているだけだった。 俺の目前のソファーには、 煙りの掛かる距離に 左右に大きく脚を開いた女が もぞもぞと寝転んでいる。 それを眺めながら、 一本目のタ…

独占欲

俺は痛くなるからイヤなんだけどな。 嫌だって何度か言ってるのに、 どうして分かってくれないのかな。 さっきからずっと先っぽばっかり 舐め続けてるのってさ、 やっぱり 不安だって事なのかな。 俺の言い訳や約束、 どれも言葉ばかりで 確信が持てないから…

婚姻届

薄っぺらい茶色の紙。 そんな物が二人で生きて行く確約になるとでも思っているのかな? 確かに俺は、それに対して何の躊躇(ためらい)もなく、何の疑問も抱かずに署名と捺印が出来たけど。 そうする事で俺は、君を手に入れられたとは思っていなかったんだ。 …

結婚記念日

昨日はなん十回目の結婚記念日でした。 思えば長々と夫婦をやって来たもんだと、自分でも感心してしまいますよ。 激しい言い争いや、何日間も口をきかないような喧嘩もなければ、危機的な状況に陥る事もなく、長くても2~3時間程度、家内が静かになる位で…

あの「ありがとう」。

「さようなら。」で 終わりにはしたくはなくて、 「ありがとう。」で 最後の区切りを着けた。 ありがとうなら、 ここで全てが 終わらない気がして、 ありがとうと言う 言葉を選んだんだ。 さようならでなんて、 終わらせたくなかった 今までの二人の歴史。 …

竹、再び。

木瓜(ぼけ)が蕾を沢山たたえ始めています。 採らずに放ってある金柑(きんかん)の実が、 無造作に零れ落ち、辺りに散らばっています。 なかなか咲かないな、と気に病んでいた梅の花もやっと咲き始めました。 無精者の私は庭の植木や草花の手入れを全くしない…

エッセイってさ

皆さんはエッセイってのを書く場合に、いったい誰に向かってその言葉を綴っているのでしょうか? ふと疑問に思ったんです。 私が最初に投稿サイトにアップするために書き始めた物は、完全に独り言でした。 誰かに宛てた文章ではなく、あくまでも自分史として…

帰り際

君の体を洗っていると 泡だらけの俺の手をギュッと掴んで 「一人にしないで。」と この世の終わりの様な悲しい顔して 吐き出した心の塊 45度のシャワーで流す 患部の痛みなんかより 遥かに辛そうな絞り出す声で 「好き。」 真っ白な湯気を切り裂いて 耳に…

拝啓、薫風が待ちわびられる梅見月の候、冷やされる体が思うように動かなくなってはいませんか。 昔、俺が物心が付き始めた頃には我が家の庭には沢山の植木があったんだ。 と言うよりも、あり過ぎていたんだ。 元々、我が家のある地域は横浜市○○区○○町○○番地…

見栄を張ってみました

人けのない真夜中の公園で、 家に持ち帰る事が出来ないチョコを 人目を忍んで頬張るしかなかった。 有名メーカーのロゴが入った 手提げ付きの小さな紙袋の中には ご丁寧に手書きのカードまで 添えてある。 街灯の灯りが届かない 隅っこの薄暗いベンチに座り…

安寧

信じてるなんて思ってる時点で、 疑いの芽は発芽してる。 好きなんだと自覚してる時点で、 恋の心は揺らぎ始めてる。 手の届く距離だろうと、 息づかいが聴こえるほどに くっついていようと、 繋がらない気持ちは 二人の距離を埋めやしない。 何をしてるんだ…

どうゆう事?

「お前らみんな揃って、同じ方へ向かって何処へ行くんだよ。 そんなに急いで、広くて何んにもない青空を あっちに向かって行って何があるんだ?」 うっすらと暖かい砂浜に寝転んで、つい声に出して話し掛けてしまっていた。 海から吹き上げる風には、もう肌…

裏アカウントtwitter

抱き慣れた女の汗まみれの体臭が 何故か心を落ち着かせてくれる 聞き慣れた喘ぎ声が 突き上げる腰の動きに合わせて リズミカルに耳元に降り注ぐ 温かい飛沫が股間を濡らし 俺の名前を叫びながら 強くしがみ着いて来る女が 愛おしくて堪らない やっぱり別離れ…