IWハーパーのボトルが
殆ど減らない夜に
浅く座ったソファーで俯いて
深いため息が一つこぼれ落ちた
短いプリーツスカートから
スラリと伸びた綺麗な素足が
ため息を軽やかに踏み潰して
鼻唄と共に離れて行く。
ロックの酒がこんなに苦いなんて
いったい何年振りだろうか
アートテイタムの連打が
痛いほど心に突き刺さる
いったい、
どんな風に切り出したら
良いんだろう。
どうすれば、
傷付けずに済むんだろう。
どんな言葉を
選んだら、この笑顔を
崩さずに終われるのだろうか。
高い酒に
酔えないジャズが、
俺の居場所を削り落として
つい、うっかりと
明日の約束を交わしてしまう。
琥珀色の決意が飲み干せずに、
唇に触れるのは
水っぽいバーボンと
クソ熱い約束のキス
終電の時間が迫っているのに
切り出す言葉も選べずに
グラスの滴を眺めてる