toshimichanの日記

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口の中で

柔らかく暖かい温もりが先っぽを包み込んでくれた。
上目遣いの眼差しがいたずらっぽく微笑んだ途端に、唇が根元にまで達してつむじが揺れ動く。

テレビの字幕が追えなくなって、楽しみにしていた折角の洋画の内容が頭に入って来なくなってしまった。
この最初のシーンをしっかりと把握して置かないと、この映画の結末は面白味が半減してしまうと言うのに、これが始まってしまうと、停止せざるを得なかった。
しかし、DVDのリモコンは彼女がわざと手が届かないテーブルの端の所に置いてしまったのだ。
それは、二人でゆっくりと過ごせる休日の昼間に、彼女をすっぽかして映画に興じ様と決め込んだ俺に対する意地悪だった。

観られるモノならば観てご覧なさい。
そう言わんばかりに、鈴口がほじくられる。
固くした舌先がグイグイと押し付けられて、グリグリと攻めて立てて来る。
彼女に取っては、勝手知ったる俺の性感コントロール
何処をどうすれば、簡単に果てさせられるかのポイントはしっかりと把握されてしまっている。
つまりは、もてあそび放題なのだった。
しかも、夜の睡眠時間を気にしながらのタイムリミットなどがない、休日の真っ昼間。
何時間だって咥え続けてても良いのだ。
制限時間のない無限の攻撃が容赦なく浴びせられる。
それは、俺が何度果て様とも、また再びユルユルと繰り返えされ、立たされてしまう。
壺を押さえられて、焦らされ、追い込まれて根元を指先で絞られて果てられず。
かと思えば、続け様に吸い出すかの様に出し搾られる。

こうなると俺にはなす術がなかった。
彼女のしたい放題、飲み放題。

それは、
同棲生活を始めるに際して、二人で交わした誓約書にしっかりと記した約束だった。
1. お互いの体は自由に扱える。
2. 性欲の処理は相手の体のみで行う事。
3. 俺の精子の全ては余すことなく私の体内に出す事。
4. 私が望んだら、望んだ体の部位にいつでも出す事。
5. 故意に避妊はしない事。

顎が疲れて音を上げる事もなくなったし、歯が当たって茎が水膨れにされる事もなくなった。
そう、これは日常に転がっている極普通の会話同様の行為。

しかし、会話は時として激しさや過激な感情を伴う場面もある。
強い吸引力で自らの唇を腫らしたり、無理に大きな口を開けて限界以上に飲み込もうとしてむせたり、嗚咽する事は、何故か好きらしくて止めないのだが、胃液でヌタヌタにされると玉袋がヒリヒリするから勘弁して貰いたいんだ。

ソファーに浅く腰掛け眺めるだけの映画は、ストーリーが勝手に進んでしまって中盤の見所が繰り広げられていると言うのに俺は、何度目かの絶頂に導かれ様としている。
喉の奥の声帯近くで締め付けられながら抜き挿しされると堪らない快感が押し寄せて来て、思わず腰を突き上げたくなる衝動に駆られるのだが、その奥での発射は、例え何発目かの薄い液体でも、肺に入ってしまえば、誤嚥性肺炎になってしまう恐れがあるので、ひたすらに我慢しなければならなかった。
彼女からしてみれば、その堪える俺の仕草や漏れ出てしまううめき声が聴ける事が嬉しいらしくて、あえて意地悪く鼻が潰れるほど、顔を押し付け顔を真っ赤にしながらも攻めてくるのだ。

映画が終盤のクライマックスに差し掛かる頃の俺の物は、もう既に何をされているのかが感知できない程に感覚が麻痺している。
だが、その割りには、縮こまる事は許されずに、時より痛みとも着かない強烈な舌技が見舞われ叫びそうになってしまうのだ。

ある種の拷問の様な彼女の大好きな時間は、長いDVDの洋画が一本丸々終了するまでは飽きる事なく続けられる、休日の楽しみであった。

勿論、逆の立場でのお返しは、その数倍以上の丁寧さを持って、永遠と限りなくしたところで、彼女の体力は無限の宇宙に匹敵するほど果てしなく、一日中でもして欲しい等とさらっと求められる事は言うまでもない。