toshimichanの日記

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えっと、

白くボヤけた青空に
それはまるで幼い子供が
いたずら書きで描いた様な
千切れたはぐれ雲が雑に並んで
ポッかりと浮かんでる。


昼下がりの青空が眩しくて、
ちょっと苛立ってたんだ。

寝転んで膝枕
おっぱいの膨らみ越しの顎のライン
くすぐる様に髪が揺れている





言い合って喧嘩して
仲直りもしていないのに
いつものマックの
ドライブスルー。

彼女には何も尋ねずに
勝手に注文して
受け取って、
ポンと手渡し走って来た。




ぶら下げて
黙って歩いてぶっきらぼう

怒ってないけど引けなくて
意地でもないけど
素直は負けだと
尖らせた唇

磯でもなくて浜でもない
やっと波の音が聞こえる位の
公園でもなく、丘でもない
中途半端な草むらに寝転んだ。

何処へ行っても、
何処で寝ても
寝転べば、
自然と傍らに座り
当たり前に頭を乗せる膝の上
それが二人のポジション
二人の形

これがいい、これでいい
喧嘩して言い合っていても
好きなんだから
離れる理由にはなりやしない

ただちょっと
意地の納めが着かないだけで
言葉に出せない
言葉がでない。

冷め掛けたマックにカジリ着く
あっ、
それは俺のと手を伸ばし
掴んだマックはおっぱいだった


ポテトだけ
口に入れられ
雲を睨むしかなかった。





余りにも広過ぎる
白くボヤけた青空に、
雑に千切れたはぐれ雲。

それはまるで
まだ
幼かったあの頃に、

自分の部屋の壁に、
落書きしたあの絵にも似て
乱暴に、適当に
憂さ晴らしの様に
白絵の具をなすり着けた

俺の心が空に浮かんで
さ迷ってる。





指先の動きがしなやかで
髪の毛、一本一本の毛先にまで
彼女の美しさの意味が輝いていた
俺は、
悔しい程に惚れてしまってる。


可愛いくて愛おしくて
背筋がぞくぞくするほど
好きなんだ。




なんだ、
もしかして俺は今、
幸せの真っ只中にいるのかな?



そうか、
この苛立ちの
あっさりと抜けて行く、
この気持ち。

当たり前に感じている
この安らぎと落ち着きは
この膝枕と青空が
俺の居場所だからなんだ


あの頃に
俺の描いた千切れ雲は
彼女の背景に
とても似合って


泣きたいくらいに
嬉しくなった。





美紗絵と暮らしていた頃
遅く起きた、天気のいい休日の昼下がり。
ふらっと、目的もなくドライブに出掛けたりしていた。
何処へ行くとも決めずに、ただ走っていると、どうにも同じパターンの道程を辿ってしまい、いつもの場所にしか到着しなかった。

もっと違う景色を求めて、気晴らしに出て来たはずなのに、結局は同じコースを同じように走り、落ち着く場所に落ち着く。

常に側にいて、その"ありがたみ"をついつい忘れてしまっていた俺は、時々、ふと、自分の彼女の"素晴らしさ"に気が付いて疲弊していたんだ。
「わっ、ドチャクソ美人だし、いい女じゃん。」
こんな女と付き合えたら人生が薔薇色なんだろうなぁ。
なんて、自分の彼女を俯瞰したりして、自分の立場の怖さを度々実感してたんだ。


人は人に愛されていると言う責任を持たされるんだ。
裏切ってはいけない。
何を、何処を愛されているのかを自覚しなければならないんだ。
それは、勿論、具体的な外見や仕草などではなく、内から自然と涌き出てくる心の在り方。
愛しているし、愛されている。
その基本姿勢を常に保つ事で自信を律する戒めが自ずと身に付くものである。
そう信じたい。
のだが、
俺の煩悩はそれを許してはくれないのだ。

美紗絵は異常なまでの嫉妬深さと独占欲を俺に向けていた。
求めていたんだ。
それは、コンビニのレジの女性やファミレスのウェイトレスさんとの単純かつ事務的な言葉のやり取りにまで、それが嫌だと言っていた。
恋をして夢中になってしまっている時期だけならば、まだギリギリのラインで可愛いと許せる微笑ましい話しなのだが、
付き合い出してから、同棲をして一年経ち四年経っても、そのスタンスに変わりはなかったんだ。
それを俺に求めている彼女自身も、求める以上の代償?は俺に支払ってくれていたんだと思うんだ。
束縛は相手が束縛されていると自覚しないで過ごしていられれば、束縛じゃないし、独占欲を剥き出しにして牙を剥いている姿は、ある意味では野性的な雌の本能とも取れるし、その独占欲や嫉妬心を手向けられている俺が、窮屈に思っていなければ問題はないんだ。

独占欲や嫉妬心を剥き出しにされる事自体に窮屈を感じるからとか、嫌な分けではなくて、嫉妬している時には機嫌が悪くなってしまう美紗絵の気持ちを感じ取れてしまっている自分自身の戸惑いなのか、焦りなのか、美紗絵の心の動きを一瞬で読み取れてしまう俺自身の反省の様なものを感じるのが鬱陶しいんだ。

そんな一面を持っている美紗絵である事を覚悟して、差し引いたとしても、彼女の溢れ出す魅力対しての俺の価値などは、比較出来ないくらいにちっぽけな男なんだから、そんな嫉妬される、なんて事に文句を言える立場に俺はいないんだ。

ドチャクソ美人な美紗絵に愛されている。
それを日頃の生活の中で、肌身に痛い程感じ取れている。
それはまるで夢の中にいるんじゃないのかと、現実から離れた出来事の様に思う事もあれば、
ふと我に返って、背筋がザワザワする程の嬉しさ、幸福感を感じる事もあったんだ。

そんな美紗絵漬けになっている俺が、コンビニで単に会計の為にレジ打ちをしている女性に目移りなどする筈もないのに、
そこで、ふっと腕を強く掴まれたんだ。

お釣りを渡す時の女性の笑顔に対して、俺が小銭を受け取った時に女性に向けた視線。

腕を掴まれた瞬間に、美紗絵の気持ちが痛い程に理解できてしまうんだ。


喧嘩などではない。
そもそも俺と美紗絵の間に喧嘩は成立しなかったんだ。
お互いに、気持ちが苛立つ時と言うのは、
相手の態度や言動に対して怒りや憤りを感じるのではなく、
困らせてしまった、戸惑わせてしまった。
配慮が足りなかったとか、自分自身の至らなさに対しての苛立ちであって、
相手の意見や気持ちを変えようとか、況してや言う事を聞かせ様などとは考えはしなかったんだ。



いやいや、俺って、どんだけいい男なんだい!
って、自分で書いていて思う事があるんだけど、
何度も何度も書いてますが、俺は百人中の九十八番です。
決定的な不快感を与えるほどではないんですが、まぁ不快感は否めない男です。
そこんところ、宜しく。