toshimichanの日記

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綺麗なんだ

指先の動きがしなやかで
髪の毛、一本一本の毛先にまで
その女の美しさの意味が輝いていた。

吐息にあしらわれた言葉が
ダイレクトに心をとろけさせ
何一つ抗えやしない。

麻痺と言うよりも
消失した理性は
その女の前では
乳飲み子と化してしまう。

かと言って
赦されはしない甘えと
赦されはしない接触の只中で
ただ眺めるだけの男は
勃起すらしなかった。

薫りが鼻腔を貫き
輻射熱で肌が焼かれた。

悩ましい曲線美に
ハレーションを起こした視界が
ホワイトダウンする。

追い詰めるために選ばれた言葉で
呼吸が止められ
吹き掛けられた吐息に
命を奪われるんだ。


この女の所作の全てが
美に繋がり、

美そのものが
この女の作り手である。





恋に堕ちた男の成れの果て。

どんな醜女の姿でも
恋と言う名の病に犯された男は
その女の前では無力となってしまうんだ。





だからなに?と問われても
それがどうした?と罵らたとしても、
女が尊くて近寄り難く思えるんだ。