ノーモーション

ありのままの恋心を

素直に真っ直ぐに

投げつけられた。

余りにも突然に

なんのモーションもなく

いきなりの全力投球だった。

身動きが取れずに

剥き出しの裸の心が、

直球のストレートを

まともに食らってしまった。

両手を構えている余裕など

全くなかった。

心のど真ん中に投げ込まれた

なんの飾り気のない

彼女のありのままの

純粋な豪速球は、

一瞬にして俺の

魂を粉々に打ち砕き、

その場にひれ伏すしか

出来なくなっていた。