2021-07-20 これで、 瞼を閉じてその声に耳を傾ける。 速まる鼓動に掻き消されたさよならは 携帯の奥底にゆっくりと沈み 静寂が訪れる。 やっと絞り出したかすれた声で ただ一言 うん と応えるしかなかった。 瞳の奥の走馬灯は全て笑顔なのに 震える指先は何も躊躇わずに 画面をスライドさせた。