toshimichanの日記

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無闇矢鱈

すくい取る様に、俺はそのため息を手のひらで受け止めたんだ。



微かな温もりすら感じられる、そのため息が指の間からぽろぽろと零れ墜ちて行くのを塞ぎ切れなくて、どんどんと気持ちが荒んで行くのを感じてしまっていた。



綺麗な黒髪の旋毛をぼんやりと眺めながら切り出した、「もう」は、遥か三分前の昔の出来事。

闇雲に吐き出した「もう」は、あっと言う間に黒髪に浸潤され、彼女の中に浸透して行く光景が手に取る様に見えていた。

永遠とも思われる三分間を刻んだ後に吐き気出されたため息に込められている彼女の痛みにも似た戸惑いが形になるのが怖かった。





やっと吐き出した「やだ。」の掠れた声で、彼女の心の機微が読み取れた頃には、こんなため息を吐き出させるまでに追い詰めてしまった自分の言霊の悲情さを今更ながらに悔やむしかなかった。

こんな俺の、不甲斐ない手のひらなんかではとても受け止め切れない、計り知れない女心の重圧に手のひらが焼けて行くのを感じていた。





一瞬にして翻る彼女の心。

カッと見開いた上目遣いの鋭い眼光が、前髪の奥から俺に切っ先を向けている。

決して俺の言葉には従わない決意を露にした、敵意とも怨みとも取れる研ぎ澄まされた眼光は、ただそれだけで俺の眉間を貫き呼吸を止めさせた。

張り詰め過ぎて、飲み込むしかできなくなった空気が喉につかえて、一緒に飲み込んだ「ごめん」が腹の底に鉛のように重たく沈んで行ったんだ。



きっと、最初から許される筈もなかった「もう」を無自覚に浴びせ掛けてしまった俺の失態を「やだ」の一言で全否定して一蹴し、その眼差しで見事に俺を惨殺した彼女は、









スマホのメモ帳をふと開いてみたら、
こんな中途半端に終わっている走り書きがあったんですよ。
時々、自分でも何を考えて書いたんだろうな?なんて、思い出せないような無意味さ加減なんです。
だからって、それを投稿しても許されるのかって難しい事は考えずに、むやみやたらに投稿する。
ってのが、俺のスタイルなのです。