toshimichanの日記

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勧善懲悪

何かが始まっている分けでもない

貴女の為に、

そうしようと

思った分けではないのだけれど。

 


自分に対しての言い訳としての

大義名分がなければ、

自分自身を勧善懲悪の悪役に

なってしまいそうなので、

己れの正統性を保つ為に

誰かの為にしているんだと言う、

正統性が欲しかったのかも知れない。

 


勿論、

それは誰でも良かった分けでは無い。

 


だけど、

貴女の存在が適当だと

思った分けでもないんだ。

 


何しろ、貴女とはまだ、

何も始まってはいないのだから。

 


ただ、

自分の中に言い訳が欲しかった

だけなんだろうと思う。

 


その為に、

貴女を俺の心中で素敵に飾る事も

していないし、

これからを詐る積もりも

さらさらないんだ。

 


不倫と言う関係性を

解消するに当たっての、

自分への言い訳として、

新たな貴女の存在と言うのは、

己を納得させ得るには

充分な理由付けになると考えたんだ。

 


そう、

身勝手にも貴女の為に不倫相手と

別れると言うお題目を心中に掲げて、

自分を無理矢理に納得させなくては、

自分で自分を

責め潰してしまいそうだったから。

 


名目として、

貴女の存在を心の支えとして

利用させて貰う事にしたんだ。

 


勿論、

彼女に対して

別れなければならない理由などを

申し開きする積もりもなければ、

開き直る積もりもない。

 


それは、

ただ単純に二人が終わっただけの

話しに尽きるんだと思う。

 


そんな理由を彼女が

納得する分けがないのは

火を見るより明らかなのも判ってる。

 


上手く説得できるとも

思ってはいないんだ。

 


そもそも、

彼女を説得できるだけの題材があれば、

これまでに俺は

それを使って切り出していたんだと思う。

 


去年四月の人事異動の時にすら

それを言い訳にしなかったのは、

彼女に対する俺の執着心や

未練があったからなのは

認めざるを得ない。

 

 

 

 

 

 

何日間会えなかったと、

会った途端に必ず笑顔で、

日数を口にする彼女。

 


そして、

その再会する時に

見せてくれる笑顔には、

微塵の嘘も見えない。

 


なんでそんなに嬉しそうな笑顔を

するんだろうって、

不思議に思うくらいに本当に

嬉しそうな顔をしてくれる。

 


俺を見つけた途端に、

視線が合った途端に、

見る見る内に瞳が輝いて、

口角が上がり、

表情筋が明るい笑顔を作り上げる。

 


明るくて楽しそうで、

嬉しさを思い切り表現している。

 


そして、

矢継ぎ早に色んな話しを話し始める。

 


あっちこっちに話を跳ばしながら

支離滅裂に喋り捲る。

 


真っ直ぐに瞳を見つめながら

嬉しそうに忙しなく。

 


何がそんなに嬉しいのか?

何をそんなに急いで話したがるのか?

どうしてそんなに説明したがるのか?

 


なんの落ちもない、

彼女の日常生活の出来事を、

どうしてそんなに一生懸命に話すのか?

 


だけど、今までの俺に取っては

その話しの内容は

他人事ではなかったからね。

 


だから、

その出来事の一つ一つを

俺はちゃんと聞いていたんだ。

 


この一年間までは。

 

 

 

 


そうして

七年の年月を過ごしてしまった。

 


よくもまぁ、

こんな汚い男と飽きもせずに、

付き合って来てくれたものだと

感心してしまう。

 


彼女に嘘は無かったし、

罪などある筈はない。

 


悪いのは全面的に俺だけなんだ。

 

 

 

貴女とは、

ここからまた新たに何かを

始めようとは思ってもいませんし、

始められるとも思えません。

 


これまでにして来た俺の悪行は

これからの俺の生き方で清算なんて

出来るとも思えません。

 


人の弱さに漬け込んで、

言葉巧みに騙し続けた年月は、

彼女の人生を狂わせ

俺の人生に

快楽を与えてくれたのも事実。

 


だから俺は勧善懲悪の超悪役。

 


俺が今なんとか、

潰れずに踏み留まって居られるのは、

貴女の存在があるからなのです。

 


だからと言って、

貴女を共犯者にしている分けでは

ありませんし、

片棒を担がせる積もりもありません。

 


俺が犯した罪は、

償い切れるとは思っていないし、

償うと言う名目で

繋がりを持つ事も

許されないだと思う。

 


正直に言って、

自分自身がこれから

どうやって

生きて行ったら良いのかが

全く見えないんだ。