toshimichanの日記

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導かれた場所

あっ、来るな。

そのタイミングは、
視線を合わせた瞬間に分かるんだ。

髪を乾かし終えたばかりの彼女が、
仄かに甘い花の香りを漂わせながら、
なんの躊躇いもなく当たり前の様に。
ごく自然に視界から消えて行く。

まるで乳飲み子が、
おっぱいを求めるかの如く
そこに吸い付いて来る。


ああ、そうなんだな。
彼女の心中が
一瞬にして伝わって来る。


時間を気にせずに
ゆっくりと二人で過ごせる
週末の湯上がり時。

寛いでいた俺の
無防備で無抵抗なだらしなさが
突然の柔らかい暴力に逃げ場を失い
戸惑っている。

その激しさは、
彼女の内に溜まっていた
欲求の現れなんだ。

 


世の中には、
「淫乱」と言う言葉がある。

俺はこの言葉を聞いたり、
目にしたりすると
実に嫌な言葉だと嫌悪感を
憶えてしまうんだ。

 

彼女と知り合った当初
彼女は自分が淫乱だと表現した。

確かに、
激しい求め方をされた。

俺には、「普通」と言う概念が
今一分からないけど、
彼女の秘めている
鎮まる事を知らない
深くて激しい感情の高ぶりは
「普通」
ではないのかも知れないけど、
それを俺は、
決して「淫乱」だなんて
思いもしなかった。

求められてる欲求には
出来る限り応えて上げたかった。

求められたものは、
その都度晴らして上げたい。
そう願っていたし、
そうして上げたかったんだ。

だって、それが
自分の愛している彼女が
俺に求めている愛情なんだから
それをも含めて
好きになった彼女なんだから。

したいと思った事があったら
躊躇わずに行動して良いんだよ。

して欲しい事があったら、
隠さず素直に言葉にすれば良い。

遠慮したり恥ずかしがったり
躊躇ったりして欲しくはないんだ。

愛し合っている二人が
二人っ切りで過ごしている時間なのに
どうして内に秘めた欲望を溜めて
過ごさなければならないのか。

彼女の全てを知りたい。
そこに不満があるのなら
取り除いて上げたい。

彼女にそぐわない男には
なりたくなかった。

「普通、こんな女は嫌だよね。」
そんな言葉は聞きたくないよ。

何故、それを卑下するんだろう。
性的な趣向なんかに
標準的なんてないんだよ


嫌なのかどうかは、
それを相手にしている
俺が決める事で、
言葉にもせず、
表現もしないままで
彼女が勝手に諦めてしまうなんて
あってはならないんだ。

ああされたい、こうされたい、
こうなりたい、こうして欲しい。

それが例え、
普通ではない事だったとしても
それが彼女のしたい事なら
出来る限りは
応えて上げたいんだ。

それが、「変」なのかなんて
誰が決める事でもないんだ。

して欲しければ、して上げたい。
だって
それを求めているのは
彼女の最も重要な欲求であって
そこから目を反らす事も
避ける事もしてはいけないんだ。
それが彼女を愛すると言う
基本的な条件なんだからね。

 


そんな葛藤を心に秘めながら、
隠されながら、
自分の彼女として
側にいて欲しくないんだ。

女として、
持って生まれて来た
その性質を俺の前では
ちゃんと暴露して欲しいんだ。

 


その頃には彼女もすっかりと
潤いが流れ出す程に纏っていて
気持ちの昂りが目に見えている。


その思いの激しさが
余す事なく伝えられて来て、
俺は一気に一区切りを
終えさせられてしまう。

けれど一区切りの後に
元気が無くなってしまうのには
少し不満があるみたいで
俺が弱気になり始めると
せっせと励んで
励ましてくれたりしてる

少し元気を取り戻せば
ゆっくりと絡めてみたりと
調節を小まめに繰り返しては
微妙な空元気を
維持しなが遊んでいるんだ

しかし
そこは常日頃から培っている
手馴れた俺のコントロール術を
持っている彼女。

どこをどうすれば
俺がどうなるかを
充分に熟知しているので
次が欲しくなり始めれば
また
絶妙なタイミングで
二度三度と解放に
導かれてしまうんだ

その辺の所は
さすが
俺の彼女と言う所なんだよね。

 

彼女に取っては
そこから排出される物質は
不浄不潔な物ではなく
俺の内から出る
自然摂理的な物として
彼女が摂取すると言う
暗黙の約束が
俺には課せられてるんだ

拒みはしないし
決して嫌でもない


無心に貪っている彼女の表情は、
無茶苦茶に可愛いくて
とてつもなく美しいんだ。


とは言え
なに分にも敏感な場所
長時間に渡って
絶え間なく
刺激し続けられてしまっていると
どうにもこうにも
やるせなくなって来てしまうんだ
けど
取り上げてしまうには
まだ早い。


何でも自由にして良いよ
やりたい事をやりたい様に
してて良いんだからね

 

その言葉にウソはないんだ
だから
痛い事をしない限りは
したい事はいつまでも
好きにさせて上げたいんだ


彼女が飽きるまで
自由にさせて上げてると
終いには
感覚が麻痺していまい
何をされているのかが
分からなくなるんだ。

正に空っぽ状態。
何をどうされているのかが
分からないんだけど、
全体的な気持ち良さだけが
下半身の奥から
沸き上がって来る
訳の分からないゾーンの世界へと
導かれて行くんだ。

俺の、
自由にさせて上げていたい。
そのM性が次第に
崩れて行く変化が
自分でもはっきりと
自覚できるんだ。

 

そこから先は、
彼女の昂りに寄って開花させられた
俺のS性で彼女の望む
半狂乱の陶酔の世界へと
誘って上げなければならないのだ。

残念ながら、
まだ未熟な俺には
彼女が真剣に望んでいる
彼女の行きたい到達点にまでは
導いて上げる事はできないけど、

スッカラカンにさせられて
余計な雑念を出し切っている俺は
冷静に彼女の体や精神の状態を
観察し、判断しながら、
できるだけその限界の近くまで
彼女を導いて上げられるんだ。

 

そこまで連れて行って欲しい。

 

それが、
彼女の彼女たる本性であり、
そこに至らなければ、
彼女の内に秘めた欲情の炎は
決して鎮められはしないのだ。