toshimichanの日記

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卑怯者

そう、シックな落ち着きのあるダークブラウンのロングドレスが似合いそうな、綺麗な女性だったんだ。

でも、もしかしたら、
やっぱり、彼女も普通?ではなかったのかも知れない。

別に俺に取って普通かどうかなんて、そんな事はどうでも良かったんだ。

だって俺は、今まで付き合って来た女性の中には、そんな普通?ではなかったのかも知れない女性がいたんだから。

そもそも普通がなんなのかが、俺には分からなくなってるんだろうと思うんだ。




一瞬にして、人格が入れ替わってしまう彼女。
一人の身体に宿っている二人の性格の違った女性と三人で?同棲生活を送っていた。



傷付けられる事で性的興奮状態に陥り、陶酔してしまうなんて彼女もいた。
傷め着けられる事を好んで、その傷跡とそれを与えてくれた俺の側で痛みを味わっている時間が何よりもの幸せだと感じてしまう彼女。



俺はそんな普通?ではない彼女と何年も付き合って来れたんだ。

今さら、普通?じゃなくたって驚きはしやしないんだ。

もしも、その女性に取って俺って存在が、少しでも、その苦しみから逃れる為の足掛かりになるのならば、
俺は寄り添って上げたかった。

だけど俺は深追いはしない。
出来やしない。

だって俺には、その女性の力になれる自信なんてないのだから。

余計に苦しめてしまう可能性すらあるのだから、深追いまでして接点を持つべきではないんだと思ってるんだ。

十分に寄り添う事も出来なければ、いざと言う時に助けて上げる事も出来ない立場の俺が出来る事なんかは限られているんだし、
それが出来たとしても、それがその女性の幸せに繋げられるとも限らないんだし。



一旦、
サイコロは投げてはみた。



番号もLINEもDMも、連絡手段はまだ何一つ断ち切ってはいない。
連絡は取ろうと思えばいつでも取れる状態のままである。
だから、サイコロがどんな目を出して、その数が何を指したのかを俺は見ていないんだ。


そのサイの目を彼女が教えてくれるのを待っている。


俺はズルいのかも知れない。
いや、きっと卑怯なんだと思う。
卑劣な手段だと分かっていながら、こんな物で心情を吐露しようとしているなんて。



だけど、それを解っていながらも俺は、
深追いをしないんだ。

ただ、こんな卑怯者の俺がはっきりと言える事は、彼女は綺麗だった。
とても素敵な女性だった。



彼女は俺に何を求めていたのだろうか?
DMのやり取りがしたかった分けではない事は、そのDMから伝わって来てたんだ。

色んな悩みを赤裸々に打ち明けてくれていたんだけれど、その悩みのどれもがが大き過ぎて俺にはとても対処し切れない内容だったんだ。
ただ、悩みってのは誰かに、俺に話をするだけで、ほんの少しは楽になれたりするから、それでも良かったのかな?なんて勝手に思ったりもして。


もしも、それを乗り切って、例えば逢う事を繰り返せる様になった時に、
彼女の目的を解って上げていなければ、それはただのデートになってしまうんだ。


打ち解けて欲しかったんだ。

文字だけの交流でなんて、人は理解し合えないのかな?

卑怯者は、いつまでたっても、
この文字の世界からは抜け出せずにいます