いくらどんなに考えてもこたえなんてものは誰も教えてくれなかったし、何処にもありはしなかった。
それでも、そのこたえを知りたくて、理解をしたくて、納得したくて、もがきながら探し回っていたんだ。
今年もまた紫陽花の花が咲き出してしまった。
兎に角、終わらせるべきものは終わらせる事が出来たんだと思う。
今年の紫陽花がまだ綺麗に咲き誇っている内に。
これで良かったと、自分自身を捩じ伏せる様に言い聞かせて心を閉ざすしか、今は生きて行く手段が見付からない。
実はもう一人。
宙ぶらりんに俺を待っていてくれているのかも知れない彼女?がいる。
その人とは、実はまだ何も始まってはいないが、気持ちの上では相通じる部分をDMで築き上げて来た。
とても可愛いらしい綺麗な女性?。
人生の大きな荒波に呑まれて、自身に課せられた試練と必死に闘っている健気な姿に俺は、どうしても手を差し伸べて上げたくなってしまったのだが、
俺自身の始末を優先させるべく、取り敢えず一旦の区切りを着けてしまっている。
この期間を彼女?がどの様に捉えているのかは正直な所、俺には理解出来ていない部分がある。
取り敢えず、一旦、区切りを着けましょう。
を境に、毎日送り続けていたDMをぱったりと途絶えて以来、音信不通にしてしまった。
俺が長年の間、付き合って来た彼女と別離れた事は、この投稿サイトで気付いているのだろうとは思うものの、
その彼女?の言う、「一旦」と言う区切りが何を言い表しているのかに答えが見い出せずに戸惑っているのだ。
彼女?の真意が掴めないままに、身動きが取れずにいる。
細やかな気遣いの出来る、優しい彼女?だから、もしや俺の送り付けていたDMが煩わしかったのを言い出せずに困っていたのかも知れない。
自分の苦しさや痛みを堪えながらも、他人に対して優しい振る舞いができる素敵な女性だから。
単なる俺の独りよがりで続けていたDMを終わらせられる、彼女?に取っては良い機会だったのだろうか?とも考えられるのだ。
取り敢えず不倫相手との一区切りのお別れは済ませた。
ここから先の結末はまだ想像が着かない。
相手の精神状態を推し測る術はないし、知りたくもなければ、知ってはいけない気もするし、知った所で何かをしてはいけないのだ。
それが別れるって事なんだから。
花の終わりがはっきりと区切れない、ともすれば秋口まで茶色くカサカサに枯れた花を、細く固い茎の上に乗せたままで、惨めったらしく佇んでいる紫陽花の花が、俺達二人の不倫の終わり方を示唆している様で大嫌いな花んだ。
紫陽花に罪はないけど、その佇まいに未練がましい彼女の姿がオバーラップして、微妙に梅雨の湿っぽさを感じてしまう。
本当は、一番好きな花だったはずなのにな。