toshimichanの日記

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LINEの女

リビングの隅っこで
私は独りぼっちで縮こまり、
淋しくて淋しくて
泣いてます。

貴方の匂いが残るシャツを着て、
貴方の座ってた座布団の上で、
貴方がこの部屋に確かに居た証に
囲まれながら、泣いています。

今日も俺が、
解消しなければならない
我が儘が垂れ流されている。
未読LINEの数は彼女の不満の数。
飛び込んでくる文字の背景には、
涙の雨が降りそぼっている。


ここで待っているのね。
私はいつも待っているの。
貴方が来てくれるのを、
ただただ待っているんだよ。

隣に居てさえくれたら
何にもしなくて良いよ。
手を伸ばせば
貴方に触れられて、
そこに呼吸が聞こえれば、
私はそれだけで安心できるの。
私が私で生きていられるの。
だって私は、
貴方の女なんでしょう?

LINEの文字が彼女の声として、
耳に木霊して来る。
応えの返信など、
多分、
彼女には必要はないのだろう。
文字などは。

幾千の言い訳よりも
力いっぱいの腕力で、
抱き締めて、
その体から全ての
淋しさや苦しさを
絞り出して上げれば、
俺の女の姿に戻れるのに
そこに足が向かない俺がいる。

この文字達が表す彼女の
生き方は「愛人。」そのもの。
こんな生活にどんな将来が
待っているのか。

俺が与えられるモノなど
淋しさと苦しさ。
会えない辛さしか
上げられないのに。
それでも、
それなのに何故なんだ

会った途端に魅せるその笑顔
その嬉しさに満ちた所作は
LINEの文字を濡らしていた涙は
恨みは、悲しみは
この女の何処に
隠れているのだろうか?

その応えは、
やがて乱れ狂う肢体が
教えてくれる。
躰の芯から噴き出す
朱色の欲望。
腹の奥底に秘めた
もう一人の彼女。

鎮める術を知る俺は
その技で彼女を治め、
有るべき場所まで
見送らなければならない。

それが、
二人の関係。