toshimichanの日記

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海原の小舟

全身が、
性感帯になってしまう
女の性(さが)は、
果のない大海原で荒波に揉まれる
小舟に似ている。

俺の、鋭い鞭の一振りに
全身を委ね、
襲い来る荒波にも似た激痛に
跳ね上がり、うねりながら
何度も震えながら揺れる。

かん高い悲鳴を上げ、
船体を軋ませながらも
沈まずに耐え抜き、
更なる鞭を待ち望む。

鞭で打たれ弓なりに反り、
革靴の先で蹴られて、
のたうち回り
真っ赤な熱蝋に焼かれて、
転げ回る。

ぼろぼろに、
朽ち果てさせられながらも
まだ意識がある内は、
なすがままに荒波を受け止めて、
おのれの芯を曝けだし
白目を剥いて墜ちて死す。

やっとその身が浸水する頃には
見るも無惨な肉片と化して
暗く冷たい海底へと鎮んで行く。

しかし、
その船体の無惨な姿とは裏腹に、
その表情には、
苦痛を耐え忍んだ疲労を刻み
ながらも、
己の快楽を讃えながら
至高の微笑みを浮かべつつ
えもいわれぬ安らぎに
満ちている。

海底の岩場に横たわる
正体をなくした船体は
更に荒い海流によって
見るも無残に仕上げられる。

打ち据えられた肉の痛みが
鼓動とシンクロして
ずきずきと花芯をいたぶる。

情け容赦の無い欲望が具現化した
鉄鎚が船体を破砕する。

それはまるで、
お臍の下30センチの
お腹の奥に
真っ赤に焼けた鉄火箸を
射し込まれる様な
耐え難い快楽。

船体が硬い水圧に
締め付けられて粉々に
粉砕されて行く。

それは、もはや女でもなく
肉ですらない。

海水とも呼べぬ汚泥にまみれた
女だったはずの魂の残骸は、
その形を残さず、
全ての性欲を俺の海原に
溶け込んで、
いつの間にか
俺の飛沫と共に燃え尽きる。