toshimichanの日記

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コインランドリー

同棲初日の夕方。

引っ越しの荷解きが
一段落着いたので、
アパートから歩いて
5分足らずの銭湯まで
ランドリーバッグをぶら下げて
二人手を繋いで歩いて来た。

銭湯の直ぐ隣には
コインランドリーがある。

「私は一時間近く掛かるから」
と言うので
彼女には先に銭湯に
入って貰ったんだ。

初夏の天気が良い
少し蒸し暑い一日に
汗だくになりながら
引っ越しをしたので
汗を拭いたタオルと
汗だくになって
着替えた衣服や下着類を
洗濯するために持って来た。

さほど多くはない洗濯物を
バッグから引っ張り出して
洗濯機に放り込んだんだ。


俺の汗まみれのTシャツや
見慣れたトランクスと一緒に
ついさっきまで
彼女が着ていた
Tシャツやパンツ、
カラフルなブラとショーツ
当たり前の様に洗濯機の中で
混じりあって
仲良さそうにこんもりと
山になって
寄り添っている様に見えんだ。

ただそれだけの、
ほんの一瞬の出来事なんだ。

たったそれだけの、
言わばなんでもない
普通の光景だった。



二人分の洗濯物。



可愛い下着や
色っぽい下着を着けている彼女は
可愛いし素敵だと思うけど

その下着と言う衣類が
彼女の身体から離れ
単体で存在している時には
その彼女の下着に対して
変な感情が湧く様な
特殊な趣味を
俺は
持ち合わせてはいない。




俺と彼女の洗濯物が
一つの、
同じ洗濯機の中で
洗われ様としている。

そうか、今日から俺達二人は
同じアパートで
一緒に暮らそうとしているんだ。

改めて、
同棲生活をする。と言う
事の重大さ、責任や覚悟、
不安や戸惑い。

そんな諸々の重圧を払拭して
尚も余りある
浮き足立つ幸福感を
描いた光景が
この洗濯機の中に
広がっていたんだ。


その光景に俺は、
何故か
涙が零れそうなくらいの
幸せを感じたんだ。


これから、
二人の洗濯物は
多分俺が
こうやって洗わなければ
ならないんだと言う
妙竹林な覚悟と共に
意味不明にも
そんな分担が
暗黙の了解の如くに
自然と決まって行く
二人の生活に胸が踊る思いを
感じていたんだ。