toshimichanの日記

ブログの保管所

あゆみん 3

俺は、一度好きになった女は、

滅多に嫌いにはならない。

一度、愛したら、

その心や気持ち、内面を

好きになっちゃうから

外見が気にならなくなるのかな。

だって、愛してる人が、

もしも、万が一、

交通事故や病気で

変わり果てた姿に

なったとしても、

愛してる事に変わりはないから。

それは、何十年の時間が

過ぎ去っていても同じだった。

 


すっかり忘れていた記憶が

どんどん呼び戻されて、

目をつぶって、

話し声を聞いて居ると、

青春を過ごしていた遠い昔が

鮮やかに浮かんで来る。

思い出せない事も一杯あって、

そんな些細な事まで

良く覚えているなと、

感心したり、驚いたり。

 


軽やかに、楽しそうに

語る声は、

経年劣化してて致し方ないけど、

それでも、モノの言い回しや

例えの入れ方、笑いのタイミングは

見事に彼女だった。

懐かし過ぎて胸が締め付けられて、

苦しくなる。

 


覚えて居ない事を

楽しそうに語られて、

本当にあったのかさえ

疑いたくなる事柄も、

話しの先に心当たりが

見えて来て、

ちゃんと完結するので

彼女の記憶には嘘は

加えられてはいないんだと

分らされた。

 


本当に、

こんな細かい事まで

良く覚えているなんて、

それって、

怨み?

なのかな、と脳裏を横切った。

 


時効成立で、

単純に彼女の苦労話しになったのかな

と、思う様にした。

でなければ、

余りにも恐すぎる女。

 


それとも、本当に俺を糧に生きて

来た。

なんて、恐ろしくて認めたくは

ない。

そこには執念が

感じられてしまうから。

 


それでも、やっぱり

あゆみんだった。

間違いなく、

青春時代を一緒に綱渡りした

あの頃のあゆみんの面影は、

確実に残っていた。

 


その後も何度か会って、

セックスを繰り返したが、

やはり、

見た目通りの彼女の体は、

病に侵されていて、

また再び通院を余儀無くされて、

会えなくなった。

 


あれから数年が経っている。

連絡先は交換したけれど

彼女からの便りは、

途絶え切りだ。

もしかしたら、

新しく追加された

俺との思い出を糧に、

病と闘っているのかも知れない。

 

 

 

けど

もしかしたら・・・・・

 

 

 

それが、

男と女が

離別すると言う、

 

 

 

覚悟なんだ。