toshimichanの日記

ブログの保管所

2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

あゆみん リング

堅く握り締めた拳の中には、 飾り気のない 細いシルバーのリング。 ある日、なんの前触れもなく、 突然にポストに投げ込まれた 訃報を知らせる手紙の中に、 無造作に、 同封され送られて来た。 昨年○月○日に逝去されました。 失礼とは存じますが、 故人の意…

あゆみん 3

俺は、一度好きになった女は、 滅多に嫌いにはならない。 一度、愛したら、 その心や気持ち、内面を 好きになっちゃうから 外見が気にならなくなるのかな。 だって、愛してる人が、 もしも、万が一、 交通事故や病気で 変わり果てた姿に なったとしても、 愛…

あゆみん 2

「ねぇ、良かったらで良いんだけどね、 本当に、嫌だったら断っていいんだから ね、こんなになっちゃった女になんか、 なんの価値もないのは解ってるから」 卑下にしか聞こえなかった言い訳に、 妙に腹が立った。 昔とは言え、自分の彼女だった女が、 誰にでも…

あゆみん 1

もう数年前の話しです。 会社の用事で、会社近くの銀行に 行った時の事。 窓口で手続きをして貰って居る間の 待ち時間に、3~4人掛けの椅子に 座っていると、 一人分を空けない程度の間隔に 一人の、いかにも場末の飲み屋に 居そうなおばさんが腰掛けたのだ…

その名は、

先ほどテレビを視ていたら、とある大物お笑い芸人が、工業高校の機械科卒業だと自分の事を卑下するような発言をしていたんだ。 そっか、工業高校の機械科ってのは一般常識的には恥ずべき経歴なんだよなって、改めて心に留め置く事が出来た言葉だった。 時代…

紫陽花

いくらどんなに考えてもこたえなんてものは誰も教えてくれなかったし、何処にもありはしなかった。 それでも、そのこたえを知りたくて、理解をしたくて、納得したくて、もがきながら探し回っていたんだ。 今年もまた紫陽花の花が咲き出してしまった。 兎に角…

うじうじ

誤った解釈を解いて上げなければ、されたままになってしまう、その文字が示すの通りの誤解。 別に、嫌いになった分けじゃないんだ。 いいや、寧ろ、そのままでいればもっと果てしなく好きになってしまって、辛くて身動きが取れなくなるまでに惚れてしまいそ…

うだうだ独り言 5

最初の頃は彼女も、俺に家族がいると言う事に後ろめたさを感じていたのだろう。 会社帰りに、週に1~2回程度、3~4時間の時間を割いて、当時の彼女のアパートにまで足を運び食事に誘い出していた。 そうでもしなければ当時の彼女の生活の中には、部屋か…

うだうだ独り言 4

星空を眺めているのが好きな娘だった。 特に今夜のような特別な天体ショーの場合には、一際テンションを高くして準備を整えてたりしていた。 自宅マンションのある街はきらびやかでバカ高い高層ビルが立ち並んで、昼夜を問わずに灯りが絶えない様な都会なの…

うだうだ独り言 3

本気なのかと尋ねられれば、 決して本気ではなかった。 それじゃ、浮わついた気持ちで付き合っていたのかと聞かれたら、 全部が全部、浮わついてたとも思えない。 まぁ、確かにデートなんてもんは遊びなんだから、楽しく過ごすに越した事はないわけで。 セッ…

うだうだ独り言 2

不倫に良くありがちなのが、どちらかの夫婦仲が冷え切ってしまってて、その穴埋め的なパズルのピースに当てはまってしまう場合がありますけど、 我が家は前回に書きました通りに仲良しですので、お相手の状況が気になってしまうんですよね。 そこで、不倫相…

うだうだ独り言 1

変な意味で俺は、浮気相手を選んで来てしまっていたんだと思う。 てか、浮気って、そもそもしちゃいけないんだよね。 それは十分に分かってるし、家内にも悪いとは思ってるんだ。 況してや、俺達の夫婦仲は大変に良好な関係で二十数年以上も続いて来ているし…

5メートルの5分間

悲しいげな表情ながらも笑って立っていた。 その瞳には例え様のない愁いを讃えて、今にも溢れそうな涙が光っていた。 一生懸命に作っている笑顔は、それを保っているのが精一杯で、何かを語ろうとする唇は動かせなかったのだろう。 少しでも何かを話そうとす…

るん♪

ここ一年の間に随分と俺の周りの環境が変化してしてしまった。 まぁ、ざっくりと言えば左遷?されてしまって、それまでの目まぐるしく動き回らなければこなせなかった地方巡りの仕事から解放されて、かなり楽な製造工場勤務に廻されて、判で押した様な毎日を…

何のために

青葉の季節。 また随分と優しげな緑色を鮮やかに輝かせて、新芽が芽吹いたものだろうか。 この五月の気紛れな陽射しに照らされて、柔らかな新緑を薫らせている。 桜も椿も紫陽花も。 一際に新緑を称えて、新しい息吹きを感じさせてくれている。 きっと、何か…

一握の砂

しっとりと 涙をすへる砂の玉 涙は重きものにしあるかな 命亡き砂のかなしさよ さらさらと 握れば指のあひだより落つ 石川啄木 一握の砂 より 砂とは、貝殻とか、石や岩の様ないわゆる岩石が風雨や波や自然現象に寄って細かく砕かれた物であって、そこに心と…

サバニ

べた凪の海面に ポッカリと浮かび上がった半月が 道筋を示す様に一筋の光の航路を 照らし出している。 櫂を持つ俺の手は 止まったままで 舳先を航路には向け様とはしない。 漕ぐ力はまだ衰えてはいない筈なのに。 風のない海面は 波紋さえも起こせそうなくら…

風に揺れる

君の肩が小さく震えている。 その肩を包み込んだ 重たげな黒髪が、 緩やかな曲線を揺らしながら 小刻みに煌めいて、 より一層、 儚げに見える横顔。 隠さずに、 拭いもしない雫の流れが 俺の罪の重さなのだろう。 それとも、 自分に向けた悔しさ 言葉にしな…

だらだらと

そもそも愛してるのかな?と 自分に問い掛けてみても、こたえなんか導き出せはしなかったんだ。 だって、長年の肉体関係ってさ、相手の体に対してただならぬ愛着があるからね。 だからと言って、体だけを愛してるって分けじゃなくて、肉体関係を続けていられ…

そろそろかな?

出逢う人は選ぶ事は出来ないけど、出逢った人とどう係わるのかは自分の行動責任の範疇なんだよね。 つまり、私が貴方と出逢った事は、偶然や運命とか必然とかなんだか分からないんだけど、 それから先を繋ぎ止めていたのは私なんだし、貴方から何かを得よう…

エリカ 5

ふと原点に立ち返ってしまった。 優香は確かに可愛い。 学園祭のミスコンでダントツの一位を獲得するだけの魅力を優香が持っている事は充分に理解しているし、俺自身が身を持ってそれを実感している。 しかし、その優香の持つ高品位ブランドは俺が優香に告白…

エリカ 4

真っ白な見馴れない雪景色の町並みを駅に向かって走っていた。 なんか、まだズキズキしてて変な感じだよ。 でも、、、 外を眺めながら涙を流しているのが、なんとなく彼女の雰囲気から分かってしまった。 後悔はしてないよね? してるよ。 間髪入れずに返答…

エリカ 3

なんて綺麗な形をしたオッパイをしているんだろう。 キャミソールを躊躇いもなく、潔く脱ぎ去り淡いピンク色をした花柄の可愛いブラは決して大きな内容物などは抱えてはいなかった筈なのに。 意外に大きいんだね。 余計な感想を口にしてしまった。 その言葉…

エリカ 2

雪はより一層大粒になり、ヘッドライトに貼り付き始めたのか前方を照す範囲が狭くなって来ている様に思えて来た。 を行き来しているワイパーも掻きよけた雪を固まりにして溜め込んでしまって、端っこの視界を妨げてしまっていた。 気象状況は可なりの悪化を…

エリカ 1

今でこそ、携帯と言う魔法のツールが存在している時代なのだが、 太古の昔は、家の中か街中の公衆電話くらいしか連絡手段がなかった時代が存在していたのである。 待ち合わせの時間と場所を家の電話で話し合って出掛け、落ち合わせてデートをする。 一歩、外…

御指導ご鞭撻

時々、浮気や不倫を書いてる事が許せない方からのダイレクトメッセージを頂きます。 どうやら、私の書いている不倫の内容が不快に感じられる様で、どうしても許せないとのご指摘をされておりまして。 幸せそうな家庭を持ちながら、その裏では年齢の離れた若…

コロナ事変 5

「待っている。」は、 時間を引き算しながら、時の経過と共にやがては訪れて来る、その時間に近付いて行く気持ちの待ち遠しさがあるけど、 別れてしまえば、時間は足し算になってしまう。 別れた瞬間から、どんどんと自分に時間が積み重ねられ足されて行く。…

コロナ事変 4

そんな生活環境の変化をひろみに話をしているのだが、俺の行動パターンが変化をしたと言う事は理解してくれているらしい。 しかし、これまでのひろみの人生に於いて、労働により賃金を貰うと言う、いわゆるバイトや会社員などの賃金労働経験が全くないお嬢様…

コロナ事変 3

そんな暮しが、このコロナ事変に見舞われて一変してしまった。 自宅から車で30分。 自社部品の製造工場への移動を任じられ、あっさりと転任。 温情溢れる人事異動に文句など称えられるわけもなく、へこへこと従うしかなかった。 なんせ今年で定年を迎える…

コロナ事変 2

だがしかし、この恩情溢れる人事異動は、俺に取って大問題がはらんでいた。 俺には本社近くの、その通勤途中に、俺の通勤途中だからと言う理由で、わざわざカノ地に引っ越しをしてくれた彼女が居るのです。 仕事の帰りにちょいと寄れる。 地方出張にもサッサ…