toshimichanの日記

ブログの保管所

2021-01-01から1年間の記事一覧

拳の愛 1

右手にしっかりと絡み着く袋状の肉指先の動きを拒むかの様に締め付けてくる。突き当たりには、プルンとした突起が侵入を防ごうとして押し潰されている。フィスト。文字通り、拳による愛撫。と言うにはかなり乱暴な仕打ちなのかも知れない。しかし、拳は中を…

串の輝き 3

先端が乳線のシコリに達した様だった。串を押すとシコリを抑えている指先にシンクロする動きが伝わって来る。と同時に、その動きに敏感に反応して彼女の表情が歪むのだった。 触り慣れた柔らかい彼女の乳房に、俺の左手の五本指が、力任せにめり込んでいる。…

串の輝き 2

真っ白な夢の中にいる。意識があるのかな、わたし?えも言われぬ温かさが全身を包み込んでふんわりと宙を漂って、とても気持ちが良いなぁ。もしも、夢だったらこのままずっと目覚めたくないな。 乱れた髪を僅かに左右に揺れ動かし、口角の上がった幸せそうな…

串の輝き 1

先日のデートの途中に、何気なく立ち寄ったアウトドアーショップで、どこからか見付けて来たのか、彼女がバーベキュー用の串を持って、にこにことしがら俺の元に戻って来たのだった。「ねえねえ、これこれ」嬉しそうな笑顔だった。俺は、まさかマンションの…

導かれた場所

あっ、来るな。 そのタイミングは、視線を合わせた瞬間に分かるんだ。 髪を乾かし終えたばかりの彼女が、仄かに甘い花の香りを漂わせながら、なんの躊躇いもなく当たり前の様に。ごく自然に視界から消えて行く。 まるで乳飲み子が、おっぱいを求めるかの如く…

抱きてぇ~

こんな事を書いてしまうと、痴漢や暴漢の類いなんじゃないかと疑われそうな気がするけど、、、 そんな事はしませんよ、なんせ俺は小心者ですから。 世間の隅っこでチマチマ生きているちっちゃなゴミ虫なんですからね。 なんの係わりのない他人に対して何かの…

負けてるよ

あなたが好き。 私のこの気持ちは誰にも負けないよ。 その気持ちを比較する相手を誰も知らないからこそ、彼女はその言葉を真っ直ぐに俺に投げつけられたんだと思った。 一時の一途な感情から言えた言葉なのだろうとその時の俺は深く考えずに受け止めていたん…

スイッチ

虐めてるのに、なぜ? 苦痛に歪んだ眉間や目元から、 ある時を堺にふと力が抜けて、 普段には絶対に見せない 穏やかに酔いしれた眼差しになる。 その時の眼差しと、 その醸し出す雰囲気、色香が、 俺の心にザックリと 刺さってしまって、 愛おしくて堪らなく…

丑三つ時

午前2時過ぎ、 静かな部屋の中で、 枕の呟きを聞きながら 私はいつになったら 眠れるのだろう なんて考えてる。 いつもなら、 私が布団を独り占めしてないか 気を使いながら、 眠っている時間帯なんだろうな。 本当に気を使ってるんだからね。 だけど睡魔に…

立ち枯れ紫陽花

いくらどんなに考えてもこたえなんてものは何処にもありはしなかったし、誰も教えてくれなかった。 それでも、そのこたえを知りたくて、理解をしたくて、納得したくて、更には自分の物にしたくてもがきながら探し回っていたんだ。 今年もまた紫陽花の花が咲…

砂を噛む

今頃は何をしているんだろう。 その暮しぶりを知り尽くしていると、 この日のこの時間には、 何をしているのかが、 手に取る様に想像できてしまう。 けど、 それは僕と暮らしていた頃の 僕の為の君のだったんだよね。 脱け殻になったあのリビングで、 向かい…

俺はただ、、、

最初の頃は彼女も、俺に家族がいると言う事に後ろめたさを感じていたのだろう。 会社帰りに、週に1~2回程度、3~4時間の時間を割いて、当時の彼女のアパートにまで足を運び食事に誘い出していた。 そうでもしなければ当時の彼女の生活の中には、部屋か…

屍に立つ

静かな哀しみに縛られて、 身動きが出来ずに 吐き気を堪えている。 忘れるのではなく、 思い出の全てを受け入れて、 繰り返しトレースして、 哀しみ尽くす。 泣いて、泣いて、泣いて。 心が、涙が、時が、 枯れ果てるまで うずくまり吐き散らかして また泣い…

そこにいた、あゆみん

仏壇に上げたお線香の灰が、 くるんと丸まりながら、 燃え繋いでいる。 それは仏様が喜んでいる 記しだと、 何処かで聞いた覚えがある。 遙々と遠い港街の外れまで 長い時間を掛けて 始めて訪れてみた。 あれから三年。 忘れる事も出来ず、 亡くなった事実か…

あゆみん リング

堅く握り締めた拳の中には、 飾り気のない 細いシルバーのリング。 ある日、なんの前触れもなく、 突然にポストに投げ込まれた 訃報を知らせる手紙の中に、 無造作に、 同封され送られて来た。 昨年○月○日に逝去されました。 失礼とは存じますが、 故人の意…

あゆみん 3

俺は、一度好きになった女は、 滅多に嫌いにはならない。 一度、愛したら、 その心や気持ち、内面を 好きになっちゃうから 外見が気にならなくなるのかな。 だって、愛してる人が、 もしも、万が一、 交通事故や病気で 変わり果てた姿に なったとしても、 愛…

あゆみん 2

「ねぇ、良かったらで良いんだけどね、 本当に、嫌だったら断っていいんだから ね、こんなになっちゃった女になんか、 なんの価値もないのは解ってるから」 卑下にしか聞こえなかった言い訳に、 妙に腹が立った。 昔とは言え、自分の彼女だった女が、 誰にでも…

あゆみん 1

もう数年前の話しです。 会社の用事で、会社近くの銀行に 行った時の事。 窓口で手続きをして貰って居る間の 待ち時間に、3~4人掛けの椅子に 座っていると、 一人分を空けない程度の間隔に 一人の、いかにも場末の飲み屋に 居そうなおばさんが腰掛けたのだ…

その名は、

先ほどテレビを視ていたら、とある大物お笑い芸人が、工業高校の機械科卒業だと自分の事を卑下するような発言をしていたんだ。 そっか、工業高校の機械科ってのは一般常識的には恥ずべき経歴なんだよなって、改めて心に留め置く事が出来た言葉だった。 時代…

紫陽花

いくらどんなに考えてもこたえなんてものは誰も教えてくれなかったし、何処にもありはしなかった。 それでも、そのこたえを知りたくて、理解をしたくて、納得したくて、もがきながら探し回っていたんだ。 今年もまた紫陽花の花が咲き出してしまった。 兎に角…

うじうじ

誤った解釈を解いて上げなければ、されたままになってしまう、その文字が示すの通りの誤解。 別に、嫌いになった分けじゃないんだ。 いいや、寧ろ、そのままでいればもっと果てしなく好きになってしまって、辛くて身動きが取れなくなるまでに惚れてしまいそ…

うだうだ独り言 5

最初の頃は彼女も、俺に家族がいると言う事に後ろめたさを感じていたのだろう。 会社帰りに、週に1~2回程度、3~4時間の時間を割いて、当時の彼女のアパートにまで足を運び食事に誘い出していた。 そうでもしなければ当時の彼女の生活の中には、部屋か…

うだうだ独り言 4

星空を眺めているのが好きな娘だった。 特に今夜のような特別な天体ショーの場合には、一際テンションを高くして準備を整えてたりしていた。 自宅マンションのある街はきらびやかでバカ高い高層ビルが立ち並んで、昼夜を問わずに灯りが絶えない様な都会なの…

うだうだ独り言 3

本気なのかと尋ねられれば、 決して本気ではなかった。 それじゃ、浮わついた気持ちで付き合っていたのかと聞かれたら、 全部が全部、浮わついてたとも思えない。 まぁ、確かにデートなんてもんは遊びなんだから、楽しく過ごすに越した事はないわけで。 セッ…

うだうだ独り言 2

不倫に良くありがちなのが、どちらかの夫婦仲が冷え切ってしまってて、その穴埋め的なパズルのピースに当てはまってしまう場合がありますけど、 我が家は前回に書きました通りに仲良しですので、お相手の状況が気になってしまうんですよね。 そこで、不倫相…

うだうだ独り言 1

変な意味で俺は、浮気相手を選んで来てしまっていたんだと思う。 てか、浮気って、そもそもしちゃいけないんだよね。 それは十分に分かってるし、家内にも悪いとは思ってるんだ。 況してや、俺達の夫婦仲は大変に良好な関係で二十数年以上も続いて来ているし…

5メートルの5分間

悲しいげな表情ながらも笑って立っていた。 その瞳には例え様のない愁いを讃えて、今にも溢れそうな涙が光っていた。 一生懸命に作っている笑顔は、それを保っているのが精一杯で、何かを語ろうとする唇は動かせなかったのだろう。 少しでも何かを話そうとす…

るん♪

ここ一年の間に随分と俺の周りの環境が変化してしてしまった。 まぁ、ざっくりと言えば左遷?されてしまって、それまでの目まぐるしく動き回らなければこなせなかった地方巡りの仕事から解放されて、かなり楽な製造工場勤務に廻されて、判で押した様な毎日を…

何のために

青葉の季節。 また随分と優しげな緑色を鮮やかに輝かせて、新芽が芽吹いたものだろうか。 この五月の気紛れな陽射しに照らされて、柔らかな新緑を薫らせている。 桜も椿も紫陽花も。 一際に新緑を称えて、新しい息吹きを感じさせてくれている。 きっと、何か…

一握の砂

しっとりと 涙をすへる砂の玉 涙は重きものにしあるかな 命亡き砂のかなしさよ さらさらと 握れば指のあひだより落つ 石川啄木 一握の砂 より 砂とは、貝殻とか、石や岩の様ないわゆる岩石が風雨や波や自然現象に寄って細かく砕かれた物であって、そこに心と…